・最新版の SDS はある
・Supplier は「GOTS 対応品」と説明している
・Recipe と購入記録もある
・しかし Letter of Approval は先月で期限切れ
規格改訂を「読む」から「現場で対応する」へ。
本日は解説を聞くだけでなく、自社ならどう証明するかをグループで考えます。
1978年 米国ユタ州ソルトレイクシティ創業。羽毛試験所から、繊維・寝具のグローバル認証機関へ。
GOTS 8.0 の不適合の多くは「知らなかった」ではなく「やっていたが証明できなかった」で起きます。 本日は STEP 3 を、皆さんの実務知識を持ち寄って設計します。
カードをクリックすると、そのセクションへ移動します。
GOTS 8.0 の発効とは別に、証明書の発行・更新・再認証を管理する手続 V4.0 が先に始まります。
旧 SC の Valid Until を基準に、再認証の完了時期によって認証状態・TC 可否・新 SC の有効期間が変わります。
9つのテーマを1枚ずつ見ていきます。カードをクリックすると、そのテーマのスライドへ移動します。
| 書類 | チェックポイント |
|---|---|
| Chemical Inventory | kg製品あたりの消費量が出せる形か |
| SDS | 最新版か。改訂日と入手日を台帳管理 |
| LOA | 有効期限切れが最頻出の指摘 |
| Recipe/投入記録 | 在庫の増減と突合できるか |
| 削減目標 | ベースライン・期限・数値が書かれているか |
意図的使用の禁止に加え、Total Fluorine によるスクリーニングという段階的手順が Manual に明記されました。 撥水・防汚・アウトドア加工は最重点です。
Glitter やプラスチック由来装飾について、原材料の確認と管理が必要になりました。 禁止リストに新たに明記されています。
| グリッターの種類 | 可否 | 必要な証拠 |
|---|---|---|
| 不溶性・非生分解性プラスチック | 禁止 | — |
| 可溶性グリッター | 可 | OECD 120 溶解性試験報告 |
| 生分解性グリッター | 可 | OECD 301B 生分解性試験報告 |
| 天然・無機グリッター | 可 | 原材料仕様・組成証明 |
紡績工程で溶解除去する PVA について、初めて明示的な例外規定が置かれました。 ただし条件付きで、回収率の下限が数値で規定されています。
GOTS 8.0 で新設された2条項。環境問題が労働安全衛生(OHS)に直結する項目として明文化されました。 日本の夏の工場は、まさに対象です。
| 要素 | よくある状態 | 4.4.7.15 / 16 の要求 |
|---|---|---|
| 給水 | あり | 必要だが一要素にすぎない |
| 環境条件の監視 | 記録なし | 温度・湿度を適切なツールで監視 |
| リスク評価 | 未実施 | 重大性と発生可能性を考慮 |
| 休憩ルール | なし | 適切な休憩の確保 |
| 作業時間調整 | なし | 作業スケジュールの調整 |
| PPE 判断 | 未検討 | PPE の要否を決定 |
| 緊急対応計画 | なし | 作業中止・避難・即時医療アクセス |
| 年次見直し | なし | 少なくとも年1回レビュー・更新 |
単に使用量を記録するだけでは不十分。 原単位化 → ベースライン → 目標 → 年次レビューという管理サイクルが要求事項になりました。
| 現在よくある状態 | v8.0 判定 | 不足しているもの |
|---|---|---|
| 水道料金だけ管理 | 不適合 | 使用量そのものの記録 |
| 毎月の総使用量を記録 | 不十分 | 生産量での原単位化 |
| L/kg まで算出 | まだ不十分 | ベースライン・削減目標 |
| L/kg + 目標 + 年次レビュー | 適合 | — |
再エネ導入の有無ではなく、使用量データ・削減計画・GHG算定体制そのものが要求事項になりました。 Scope 1・2 は年1回以上の算定が必須です。
WHO が特定する重要大気汚染物質(PM10/PM2.5、O₃、NOx、SOx、CO)、VOC/TOC、NH₃、 重金属(Cd, Pb, Hg)、GHG 7種、POPs・ナノ粒子などの排出源インベントリを文書化。 法規制がない場合はその旨の宣言+外部の認知されたガイドラインに沿った自主戦略が必要です。
PDF 管理から構造化されたデータ管理へ。GOTS 8.0 では Global Fibre Registry の使用が義務化され、証明書は Global Trace-Base に集約されていきます。
これまで GOTS は「作るところまで」の規格でした。v8.0 で §5.3 Circularity of Final GOTS Goods が新設され、 販売した後の製品に手を入れる行為——修理・用途変更・再販/再利用——が規格の対象に入りました。
✕「§5.3 ができたので、修理やリセールをする会社は全部 GOTS 認証が必要になった」
◯ 公式ウェビナーは “Not an automatic extension of mandatory certification” と明記しています。
必要かどうかは ①ブランドが repair / resell / repurpose の計画を持っているか、
②認証ステータスを維持しようとしているか(例:GOTS として再販するか)の 2 点によります。
ここから先の図は算定の考え方を説明するための解説図です。 GOTS 条文の根拠ではありません。GOTS が求めているのは前ページの §4.3.11 であり、 その要求を満たすためにどう計算するかを、国際的に確立した方法で示したものが以下の図になります。 原典は環境省・経済産業省の公開資料、および GHG Protocol です。
活動量=事業活動の規模を表す量(電気の使用量 kWh、燃料の使用量 L・m³、貨物の輸送量 t-km、廃棄物の処理量 t など)。
排出原単位(排出係数 EF)=活動量1単位あたりの CO₂ 排出量(kgCO₂/kWh、kgCO₂/t-km、kgCO₂/t など)。
この2つを掛けるだけです。難しいのは計算ではなく、「活動量をどこから取るか」と「どの係数をどのバージョンで使ったか」を残すことです。
GOTS §4.3.11.2.3 が「データ収集フレームワーク」、§4.3.11.2.4 が「排出係数とデータソースの列挙」を求めているのは、まさにここです。
ブランドにとって、あなたの工場の排出はScope 3 カテゴリ1です。 あなたが Scope 1・2 を減らすと、取引のあるサプライチェーン下流のすべての事業者にとって 「上流の削減」として反映されます。一次データを出せる工場は、ブランドの削減目標に直接貢献できる工場です。 これは規格要求というより、取引上の価値の話です。
ここで扱う日本の政策・統計は、GOTS 8.0 改訂の原因ではありません。 GOTS は国際規格として独自の改訂プロセスを持っています。 このセクションの目的は、皆さまのお客様(ブランド・商社・親会社)がどんな外部要求を受けているかを共有し、 GOTS §4.3.9.3・§4.3.11 で作るデータが国内の要求にもそのまま使えることを確認することです。
NDC(Nationally Determined Contribution = 国が決定する貢献)は、
パリ協定で全ての国に5年ごとの提出・更新が義務づけられている削減目標です。
ただし「Contribution(貢献)」という語が使われているとおり、達成そのものが法的に義務づけられた目標ではありません。
日本は 2020年3月に 2030年度 −26%、2021年4月に −46%(50%の高みへの挑戦を表明)と引き上げ、
2025年2月に 2035年度 −60%、2040年度 −73%(いずれも2013年度比)という長期目標を設定しました。
主要国の発電電力量に占める再エネ比率(2022年)は、ドイツ 43.8%、スペイン 42.7%、イギリス 42.0%、
カナダ 69.0%(水力 61.1%)に対し、日本は 21.9%(水力 7.7% + 水力除く再エネ 14.2%)でした。
日本の電源は石炭 30.4%・天然ガス 33.8% が中心です。
つまり日本の工場は、同じ kWh を使っても Scope 2 の排出係数が高くなりやすい環境にあります。
だからこそ ①使用量そのものを減らす(省エネ) と ②再エネ電力を「調達する」 の両方が必要になります。
炭素生産性(GDP ÷ CO₂ 排出量、ドル/kg-CO₂)の伸びは、主要国の中で日本は下位です。 教材が挙げる要因は、エネルギー集約型産業の国内生産比率が高いこと、 1990〜2015年に石炭火力からの排出が増えたこと、東日本大震災後に石炭火力比率が上がったこと、 省エネ進展が頭打ちであること、エネルギーコスト上昇が GDP を押し下げていること、 そして島国で国際送電網がないという制約を克服するために培われた技術が、国際的に評価され強みに変わりつつあることです。
2020年10月 2050年カーボンニュートラル宣言 → 2020年12月 グリーン成長戦略 → 2021年4月 2030年中間目標(2013年度比 −46%、50%の高みへの挑戦)→ 2021年10月 NDC として国際公約化 → 2022年5月 GX リーグ稼働開始 → 2022年7月 第1回 GX 実行会議 → 2023年2月 GX 実現に向けた基本方針 閣議決定 → 2023年5月 GX 推進法成立 → 2024年5月 GX 推進機構設立 → 2025年2月 GX2040 ビジョン閣議決定。
2050年カーボンニュートラル達成と産業競争力向上の両立を目指す官民連携プラットフォームで、2023年度から本格稼働。
主な活動は、①自主的な排出削減目標の設定・公表、②排出実績の報告と情報開示、
③自主的な排出量取引(GX-ETS)の実施、④市場創造とルール形成の4つです。
参加企業は約568社、日本の CO₂ 排出量の約4割をカバー(2023年度末時点の教材口径)。
GX-ETS は第1フェーズ(2023〜2025年度)が試行、2026年度から第2フェーズ=本格稼働という段階設計です。
民間投資の呼び水として政府が 20兆円規模を支出し、150兆円超の GX 投資を実現するという構想です。
その財源として、排出量取引制度の本格運用(2026年度〜)、炭素に対する賦課金の導入(2028年度〜)、
発電部門の段階的な有償化(2033年度〜)が予定されています。
設計思想は「GX に取り組む期間を設けた上で導入し、最初は低い負担で始めて徐々に引き上げる。
その方針をあらかじめ示すことで GX 投資を前倒しさせる」というものです。
2026年度から本格運用が開始された日本の排出量取引制度は、 年間 CO₂ 直接排出量が 10万トン以上の法人が対象です。 教材の推計では対象企業数は 300〜400社程度、日本の GHG 排出量の約60%をカバーします。 運営は GX 推進機構が担い、債務保証等の金融支援・化石燃料賦課金等の徴収と併せて実施されます。
GOTS製品の有機分には、第2.1節で定義された有機認証繊維のみを使用できます(3.1.1)。
GOTS製品には、第3.2.10節に明示された繊維のみを、指定の割合の範囲で混用できます(3.2.1/3.2.2)。
対象:有機分 最低70%(Made with organic / organic in-conversion, min 70%)の製品。 下記の追加繊維を、各許容枠の範囲で個別または合計で混用できます。
| 許容枠 | 対象繊維・材料 | 補足・例 |
|---|---|---|
| 30% まで許可 |
1. 天然植物繊維(非GMO・コンベンショナル/未使用・リサイクル) 2. 動物繊維(非GMO・コンベンショナル/未使用・リサイクル) 3. 消費前廃棄物(産業廃棄物)由来の機械的リサイクル・オーガニック天然繊維 4. リヨセル・タンパク質系 再生繊維(非GMO・認証原料由来) 6. PLA(ポリ乳酸)繊維(非GMO/バイオマス由来) |
麻(リネン)・ラミー・ヘンプ ※コットンは対象外=禁止 ウール・シルク・カシミヤ リヨセル(再生セルロース繊維の一種)・大豆/ミルクタンパク繊維 トウモロコシ由来の生分解性合成繊維 |
| 20% まで許可 |
7. リサイクル合成(ポリマー)繊維(消費前後廃棄物由来): ポリエステル・ポリアミド(ナイロン)・ポリプロピレン・エラストマルチエステル(エラステレル-p)・ ポリウレタン・エラスタン(スパンデックス)・エラストレフィン |
例外 / NEW in v8 靴下 と 繊維間(テキスタイル・トゥ・テキスタイル)リサイクル は 30%まで許可(個別または組合せ) |
| 10% まで許可 |
5. ビスコース/モダール(非GMO・認証原料由来) 8. 未使用(バージン)の合成繊維:ポリアミド・ポリプロピレン・エラステレル-p・ポリウレタン・エラスタン・エラストレフィン 9. ステンレススチール繊維・鉱物繊維 |
再生セルロース繊維(レーヨン) ※ 未使用ポリエステルとアクリルは禁止(下段参照) |
| 禁止 |
10. コンベンショナル・コットン(未使用・リサイクル・非GMOを問わず) 11–12. コンベンショナルなアンゴラ獣毛/ミュールジングされたウール 13–14. 未使用(バージン)のポリエステル/アクリル 15. アスベスト・炭素・銀の繊維 16. その他 明白に許可されていない繊維 |
「非GMOだから大丈夫」は通用しません。 ミュールジングウールは v8.0 で禁止リストに新規追加(Changelog 3.3.1→3.3.2 と同趣旨で 追加繊維表にも反映)。 |
デューデリジェンスを「回す」ために、v8.0 は3つの土台を新たに明文化しました。 次のスライドで、実際の資料がどれに当たるかを分類する演習を行います。
IDFL の監査経験では、Q1 よりも Q3・Q5 の段階で説明が難しくなる例が多く見られます(統計的な集計値ではありません)。 「書類はあるが検証できない」「書類はあるが現場が知らない」——この2つが最頻出です。
| 条件 | 内容 | 証拠 |
|---|---|---|
| i | PVA回収/リサイクルシステムが設置され、水溶液の重量比で最低50%の回収率を達成 | 設備仕様書、物質収支計算、測定記録 |
| ii | GOTS承認済みPVA薬剤のみを使用 | LOA、承認リスト、購買記録 |
| iii | 回収PVAは量の制限なく工程内で再利用可 | 再投入記録 |
| 要素 | 現状 | 4.4.7.15 / 16 の要求 |
|---|---|---|
| 給水 | あり | 必要だが一要素にすぎない |
| 環境条件の監視 | 記録なし | 温度・湿度を適切なツールで監視(4.4.7.16) |
| リスク評価 | 未実施 | 重大性と発生可能性を考慮(4.4.7.15) |
| 休憩ルール | なし | 適切な休憩の確保(4.4.7.16) |
| 作業時間調整 | なし | 作業スケジュールの調整(4.4.7.16) |
| PPE 判断 | 未検討 | PPE の要否を決定(4.4.7.16) |
| 緊急対応計画 | なし | 作業中止・避難・即時医療アクセス(4.4.7.15) |
| 年次見直し | なし | 少なくとも年1回レビュー・更新(4.4.7.16) |
| グリッターの種類 | 可否 | 必要な証拠 |
|---|---|---|
| 不溶性・非生分解性プラスチック | 禁止 | —(v8.0 で禁止リストに明記) |
| 可溶性グリッター | 可 | Reg (EC) 1907/2006 Annex XVII Appendix 16/OECD Guideline 120 の溶解性試験報告 |
| 生分解性グリッター | 可 | Reg (EC) 1907/2006 Annex XVII Appendix 15/OECD Guideline 301B の生分解性試験報告 |
| 天然・無機グリッター | 可 | 原材料仕様書・組成証明 |
| 論点 | 判定 | 根拠 |
|---|---|---|
| 有機分 80% | — | 比率だけを見れば 70% 以上だが、それは4番目に見る条件 |
| コンベンショナル・コットンの混用 | 禁止 | §3.2.8:未使用・リサイクル・非GMOを問わず混用禁止。§3.2.10 行10でも禁止と明記 |
| 同一タイプ繊維のブレンド | 禁止 | §3.2.7:有機/転換中 と 同種のコンベンショナルの組合せは禁止 |
| 「非GMOだから大丈夫」 | 通用しない | v8.0 で非GMO conventional cotton の除外を強調する改訂が入っています |
| 要求 | 条項 | このケースの状態 |
|---|---|---|
| 文書化された内部監査システム | 4.1.11 | 満たす チェックリスト・報告書あり |
| 記録の保持とアクセス可能性 | 4.1.11 | 満たす 3年分保管 |
| 監査員の力量 | 4.1.12 | 要確認 力量評価の記録があるか |
| 監査員の独立性 | 4.1.12 | 満たさない 自部門を自分で監査している |
| リスクベースのプログラム | 4.1.12 | 満たさない 選定基準が定義されていない |
| 各プロセスを年1回以上 | 4.1.12 | 満たす 全工程を毎年 |
| 論点 | 判定 | 根拠条項 |
|---|---|---|
| バージンプラのハンガーを使い捨て | 禁止 | §2.6.2.2:最終GOTS製品の小売包装におけるバージンプラスチックハンガーの単回使用は禁止。リサイクル・生分解性ハンガーは使用可 |
| 包装材の情報を記録していない | 不適合 | §4.3.15.1:認証製品に使用したすべての包装材の情報を記録すること。Manual では材質別・数量で文書化と明記 |
| プラ包装の再生材ゼロ | 要改善 | §4.3.15.3.4:ポストコンシューマー再生材を技術的に可能な最大限まで高め、35%以上を目標とすべき(EU PPWR (EU) 2025/40 対応) |
| 項目 | 状態 | 根拠 |
|---|---|---|
| 電力・生産量の一次データ | あり | §4.3.11.6:製品レベルの排出量算定に必要な一次データの提供は認められた支援行為 |
| Scope 1・2 の年次算定 | 要確認 | §4.3.11.4:Scope 1・2 は少なくとも年1回算定が必要 |
| 算定方法・境界・排出係数の文書化 | 要確認 | §4.3.11.2.1〜2.4:GHG Protocol/ISO 14064、境界、排出係数(IPCC等)とデータソースを列挙 |
| 認められたPCF規格に基づく算定 | なし | Manual §4.3.11.6:認められたPCF規格で算定されたものだけを PCF と提示できる |
| 第三者検証 | なし | 「verified PCF」と称するには該当する場合に検証が必要 |
| 行為 | 判定 | 根拠 |
|---|---|---|
| 小売製品にラベルを付けていない | 不適合 | Manual §2.7.8:小売で販売する GOTS 製品のラベリングは必須 |
| Webで「GOTS認証工場で生産」と記載 | 不可 | ラベルがない状態での言及(references)そのものが認められない |
| GOTSロゴ画像の掲載 | 不可 | 2.7.3:GOTS Signs は登録商標。使用には「Conditions for the Use of Signs – GOTS」の遵守が必要 |
| 文章だけに変えれば可(B) | 誤り | ロゴの有無ではなく「claims, advertisements, or references」すべてが対象 |
GOTS 公式資料は循環型の介入を Repair(extend life)/Resell(second life)/Repurpose(new use)の
3 つに整理し、その 3 つを All under GOTS certification(label integrity preserved)で束ねています。
ただし現場では「回収して、直して、売る」のように複数が同時に起きます。
ここではその行為が主にどれに当たるかと、どの介入でも必ずかかる要求はどれかを切り分けます。
| 区分 | 形 | 用途 | 持ち主 | 確認が増える主な点 |
|---|---|---|---|---|
| Repair | 変わらない | 変わらない | 変わらない | 交換材料・付属品・使用する化学品 |
| Resell / Reuse | 変わらない | 変わらない | 変わる | 介入する事業者の認証・トレーサビリティ |
| Repurpose | 変わる | 変わる | 変わることが多い | 新製品としての混率・付属品・化学品・ラベル |
| 共通の要求 | —(介入の種類ではない) | 活動記録・材料/化学品情報・トレーサビリティ(§5.3.4/5.3.5) | ||
項目をクリックするとチェックできます。自社の対応状況をその場で確認してください。
| 列 | 水 | エネルギー | 化学薬品 |
|---|---|---|---|
| 測定値 | m³ | kWh・燃料量 | kg |
| 分母 | 生産量(kg output)— 定義を統一する | ||
| 原単位 | L/kg | kWh/kg | kg/kg |
| ベースライン | 基準年と基準値を文書で定義 | ||
| 目標 | 定量・期限付き・達成可能 | ||
| レビュー | 年1回以上/文書化/更新日と承認者 | ||
| 根拠条項 | §4.3.9.2 | §4.3.9.3 | §4.3.9.4 |
3つの資源が同じ構造で要求されています(§4.3.9.2/4.3.9.3/4.3.9.4)。どのような様式で記録するかは各社のご判断です。下表は要求要素の対応関係を整理したもので、特定の様式を推奨するものではありません。
GOTS §4.3.9.3・§4.3.11 でやることは、脱炭素経営の一般的な手順のフェーズ①〜③にそのまま対応します。新しい作業を始めるのではなく、すでに世界中で標準化されている順番に沿って進めれば、GOTS 監査にも、ブランドからの照会にも、将来の情報開示にも同じ材料が使えます。以下の3枚は、その順番と選択肢を整理した解説図です(GOTS 条文の根拠ではありません)。
違います。GTB は Global Standard gGmbH 単独の運営です。
Textile Exchange は別に Trackit™ というシステムを運用しており
(TE-TXL-POL-203-V4.0、2026年4月1日公表・2026年10月1日発効)、
「Trackit acts as the single source of truth for scope and transaction certificates」と規定しています。
GOTS と TE で別システムである点は、両方の認証を持つ企業にとって実務上重要です。
証明書の提出先・データ形式・期限が別々になります。
違います。GOTS の SC/TC 発行手順 v4.0 は
「The Scope Certificate shall be issued as an electronic document in PDF format」と
依然として規定しています。
TC も同様で、AATL/EUTL の認証局によるデジタル署名が求められます。
つまり GTB登録と PDF発行の二本立てです。
「デジタル化されたから紙の管理は不要」という説明は誤りです。
正確ではありません。手順 v4.0 が義務づけているのは
認証機関(Approved Certification Bodies)です。
「All Approved Certification Bodies (CBs) shall utilize the Global Trace Base (GTB) for the issuance of
Scope Certificates」とあり、発効は 2027年1月1日。
CB は発行・修正・失効から 14暦日以内にデータを GTB へ提出する義務があります。
認証事業者に直接課される期限は、公表資料では確認できませんでした。
各 EN 規格が DPP で何を担うのか、GTB がどこを受け持つのか、GOTS v8.0 の要求で既に手元にある情報・証拠は何か、そしてそれでも足りないものを並べています。右端の列が、皆さまがこれから設計・確認する必要がある部分です。
| 規格 | DPP における機能 | GTB の役割 | GOTS Version 8 から提供できる情報・証拠 | 主に対応する DPP 情報 | 不足・追加対応が必要な内容 |
|---|---|---|---|---|---|
| EN 18216 | データ交換プロトコル、データ形式 | SC、TC、認証事業者、認証製品等のデータを API により外部システムと連携する基盤 | 製品カテゴリー、原材料、繊維組成、取引数量、入出荷、水・エネルギー・化学薬剤使用量、GHG、廃棄物等の記録 | ① 製品基本情報 ② 原材料・組成 ③ 認証・取引 ④ 環境・循環性 ⑤ 化学物質 | GTB の API 仕様、データ形式、必須項目、エラー処理、および EN 18216 への技術的適合の確認が必要 |
| EN 18219 | 製品・事業者・施設の固有識別子 | 認証番号、SC 番号、TC 番号、認証事業者・施設情報を管理 | SC には製品カテゴリー、製品詳細、加工工程および施設情報が記載される。TC は認証取引を識別する。原料生産者は Global Fibre Registry に登録される | ① 製品基本情報 ② 原材料 ③ 認証・取引 | SC/TC 番号は証明書・取引の識別番号であり、Product ID・Model ID・Batch ID・Item ID を代替できない |
| EN 18220 | QR、Data Matrix、NFC、RFID 等のデータキャリア | GTB 内の認証情報へ接続するデータソースとなる可能性 | GOTS 表示には認証機関および認証事業者の認証番号を関連付けられる | ① 製品基本情報 ② 組成 ③ 認証状態 ⑤ 安全情報 ⑥ ライフサイクル | GOTS 表示は認証表示であり、DPP 用のデータキャリアではない。製品固有 ID を含む QR 等を別途製品に付与する必要がある |
| EN 18221 | データ保存、履歴、アーカイブ、永続性 | SC、TC、認証状態、事業者および製品情報を中央管理 | 原材料の由来・数量、工程、化学レシピ、在庫、出荷先、繊維組成等の記録を最低5年間保存する要求がある | ② 原材料・組成 ③ 認証・取引 ④ 環境情報 ⑤ 化学物質 | DPP では製品の全ライフサイクルにわたる保存、バージョン管理、バックアップ、および企業消滅後のデータ維持が必要 |
| EN 18222 | DPP の作成、更新、検索およびライフサイクル API | system-to-system API による認証・取引情報の検索および外部連携 | GOTS 8 では修理、用途変更、再販売および再使用等の循環型活動を認証範囲内で管理し、関連情報を文書化する | ③ 認証状態 ④ 循環性 ⑥ 製品ライフサイクル | 生産、輸入、販売、修理、所有者変更、回収、再製造、廃棄を製品単位で更新できる API 機能の確認が必要 |
| EN 18223 | システム相互運用性、共通データモデル | GTB とブランド ERP、認証機関および外部 DPP システムを連携 | GOTS では原材料、製品、加工工程および地域の分類用語・コードを標準化して SC・TC に使用する | ① 製品分類 ② 原材料・組成 ③ 認証・取引 ④ 環境情報 ⑤ 化学情報 | GTB のコードと EU DPP、ブランド ERP、LCA データベース、他認証制度との意味・単位・分類コードのマッピングが必要 |
| EN 18239 | アクセス権、情報セキュリティ、営業秘密 | 認証機関、認証事業者等のユーザーごとに情報を管理 | GOTS 8 ではガバナンス、デューデリジェンス、利益相反、腐敗防止、情報管理等を要求 | ② サプライヤー情報 ③ 売り手・買い手 ④ 環境情報 ⑤ 化学情報 | 消費者、ブランド、認証機関、行政、修理業者およびリサイクル業者ごとのDPP 閲覧権限を別途設計する必要がある |
| EN 18246 | データの真正性、信頼性、完全性 | 認証機関が発行・更新する SC、TC および認証状態を中央管理 | 第三者審査、SC/TC、Volume Reconciliation、原材料・数量記録、化学薬剤承認、残留物試験および環境記録によりデータの証拠性を高める | ② 原材料 ③ 認証・取引 ④ 環境データ ⑤ 化学物質・試験結果 | 電子署名、タイムスタンプ、データ出所、修正履歴、改ざん防止、API 送信時の認証方法等を確認する必要がある |
| DPP 想定項目 | GOTS 8.0 の対応 |
|---|---|
| 繊維組成 | §3、SC/TC、GTB が保持 |
| 原産地 | §2.5 トレーサビリティ、GFR |
| 経済事業者の識別 | SC(認証事業者情報) |
| 化学物質情報 | §7 MRSL、§5.2 残留限度値 |
| 環境フットプリント | §4.3.9/§4.3.11 |
| 修理・メンテナンス情報 | §5.3 循環性、Manual §5.2.6 |
| 使用後・リサイクル情報 | §4.3.14 繊維廃棄物、§5.3 |
| データキャリア(QR) | GOTS に規定なし |
| 固有製品識別子 | 製品単位のIDは未規定 |
DPP は製品の情報開示、ISSB/SSBJ は企業のサステナビリティ情報開示で、制度としては別物です。ただしどちらも「検証可能なデータを、決められた形式で出す」ことを求めます。TCFD 提言は 2023年に ISSB 基準へ引き継がれ、日本では SSBJ が国内基準を策定しました。皆さまのお客様(上場ブランド・親会社)は、この制度のもとでサプライチェーンのデータを集める側に回ります。
GOTS 8.0 で作る Scope 1・2 のデータは、その照会にそのまま答えられる材料です。逆に言えば、GOTS 対応を「書類仕事」として処理すると、同じ質問にもう一度ゼロから答えることになります。
本資料の記述はすべて以下の一次資料に基づいています。数値・条項番号は原文をご確認ください。
私たちは少人数のチームですが、国内外の最新情報を継続的に確認し、 皆さまに分かりやすい形でお届けしていきます。
2026年には IDFL JAPAN の公式ウェブサイトを開設しました。最新情報、規格改訂、セミナー情報、 実務に役立つ資料やツールを随時更新していきますので、ぜひ定期的にご覧ください。
監査は不備を探すこと自体が目的ではなく、要求事項への適合を客観的に確認する手続です。
認証要求の背景にある国際政策や市場の変化をつなぎながら、「なぜ認証が必要なのか」「何のために取り組むのか」 「国際的な流れはどこへ向かっているのか」「企業はこれからどのように変わる必要があるのか」を、 分かりやすくお伝えする役割を果たしたいと考えています(判定の独立性は常に維持されます)。
私たち3名は、これからも学び続け、世界で何が起きているかを日本の現場に持ち帰ります。
確認したいことや、判断に迷うことがあれば、IDFL の国際チームとも連携しながら調査します。 その場で答えが出ないご質問も、持ち帰って確認のうえご回答します(個別の適合判定や設計の助言に当たるご質問には、公平性の観点からお答えできない場合があります)。
今年は FSC 監査員資格の取得に向けた研修を進め、今後は GHG の検証・監査分野についても、 専門性を高めるための学習を続けていきます。
多くの時間を学習と準備に使っていますが、それは皆さまからの質問に、 より正確で実務的な回答をお届けするためです。
IDFL を選んでいただき、本当にありがとうございます。 これからも皆さまのお役に立てるよう、IDFL JAPAN チーム一同、努力を続けてまいります。
| M | 放大鏡(拡大レンズ)。カーソルの右上にレンズが出ます |
| H | 螢光筆。ドラッグで半透明のマーカーを引きます |
| L | 雷射筆。マウス位置に赤い光点を表示します |
| Z | 螢光筆を1筆もどす |
| C | このページの螢光筆をすべて消す |
| Esc | 使用中のツールを閉じる |
| F | 全画面の開始/終了 |
| ← → | スライド移動(従来どおり) |